オランダ・デルフトにある旧教会Oude Kerkの中にフェルメールのお墓があります。
お墓というより、墓石です。教会の床に敷き詰められた石のひとつがそれ、ということです。
同教会内には、他に大きくて立派な墓石がたくさんありますが、フェルメールの墓石は、写真のとおり名前と生年・没年が彫られただけの何の装飾も無い簡単なもので、大きさも他の数分の一の質素なものでした。
それもそのはず、フェルメールがオランダ絵画の黄金時代の最後を飾る「巨匠」としての評価を得たのは、彼の没後200年ほど経ってからのことだそうです。
フェルメールが描いたデルフトの街や青いターバンの少女の絵は、いつまでも眺めていたいと思えるほどの作品でしたけれども、彼の生前にはそのように評価されなかったことを、この「巨匠」には似つかわしくない質素な墓石が如実に物語っているように思えました。
(2010年9月)